新型コロナ:半デミック(hemidemic), NOT 汎デミック(pandemic)?

(Original English text will follow this mechanically translated Japanese.)

 

新型コロナ:半デミック(hemidemic), NOT 汎デミック(pandemic)?

 

Orig.: Novel Corona/New Crown Virus: Pandemic or Hemidemic?

  

11か月経ち、今般「新型・冠ウィルス」による被害は世界一律ではないこと。むしろ気候や地理などで二極化もしくは多極化――この事実が余りに、又はいよいよハッキリしてきた。

  

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グラフ②「百万人当たり・死者数(累計)」ii

 

 重役のための要約 (Executive Summary):

 主要な論点は5つ。

 

1パンデミックではなく「半デミック」

 新型冠ウィルス流行はパン(汎)デミックではなく、半デミックと呼ぶのがふさわしいiii

少なくとも多極化しています。南北アメリカEUとアジア、アフリカは同じではない。また「アフリカ」といっても、熱帯アフリカと南北両端の温帯アフリカは同じではない。その国ごと、その地域ごとで気候一つ、血液型分布一つとっても、違うのです。

したがって共通の正解や「正しい政策対応」は……ありえませんiv

 

2)「良くなる前に悪くなる」

北半球は今が寒さの本番。目先、2月半ばごろまでは風邪の変種である新型・冠ウィルスの被害は目先はまだ拡大します。その度合いも、対応が必要か不要かも、国や地域によって異なります。

日本に関しても、例年、1月は最も寒く、死者も最も多い月です。寒さを侮ってはいけません。くどいですが、例年通りでも、1月は(様々な理由で)死者が増えるのです。

 

3)だが「冬来たりなば春遠からじ」

しかし「冬来たりなば春遠からじ」はもまた真理です(または「まだ」)。

1月中の、目下の寒さは、もちろん12月下旬までの日照の減少の反映です。しかし昼が最短になる冬至は、2週以上前に過ぎました。

たとえ地上からみると厚い雲に覆われていても、雲の上はいつも晴れ。今まさに日照は(北半球では)徐々に増えています。

なので留保はつきますが、2月半ば以降に暖かくなって所謂「風邪をひきにくい」季節になれば、「第三波」は終息するとみてよいでしょう。

  

3)最良の報せ: 致死率の安定

 当初は医療体制の差などで致死率が大きくバラけていました。しかしここのところ収斂ないし安定してきています――低い方に。

これは何を意味するか?

被害に応じ、必要ならばストップ&ゴーを機動的に利かせていけば、北東アジアなど被害が小さい地域から順次「古い普通」に復していけるハズだということです。

 

4)アジア、アフリカ、オセアニアの市民の責務

 「国際輿論v」というものが現在あるとして、最も影響力があるのは依然、英米EU

これには異論はないと思います。その地域の論調はしかし、自国や近隣の被害実態中心に組み立てられる傾向がある。又は、ありうるvi。比喩的にいうなら、一種の「自国バイアス」でしょう。

なので、少なくとも被害実態があまりないアジア、アフリカ、オセアニアの国、特に民主制の市民はアタマを冷やし、新型・冠ウィルスに関する事実を自国の時系列だけでなく、他国、自他の他の感染症との被害と比較、対応も比較するなどして、当面の対策の必要性やその度合をゼロから見極めることが求められます。

更に、対策には(予期せぬものも含め)副作用がつきものです。副作用とのバランスも当然考えなければいけません。

「専門家」や床屋政談に人生や仕事の重大な決定を委ねてはいけない。あなたやわたくしが政策の当否の決定の主役です。それを忘れたら……無用の動揺に付け込む内外の勢力がいるような場合、いいように弄ばれるだけでしょう。

 

 

i 「冠ウィルス」は試訳。「コロナ・ウィルス」のcoronaの原義がcrownKrone、冠に相当することによる。日常語的には新型コロナを「コロナ」「コロ」と呼ぶ用例もあるが、正確さには欠ける。

 

ii以下、データ加工はourworldindata.orgのグラフ作成機能ページに拠る。

iiiPun、駄洒落を言ったみたいになったのはお詫びします。ちなみに「その格差はなにゆえ?」というのが次回の電網日記の主題です。

 

iv比較的共通の「正解」はワクチンです。しかし水虫と同様、種々の風邪ウィルスや変種に対する安全なワクチンは開発できなかったのが近代以降の医学150年の歴史です。更にいうなら、人類という種の長期的な生存のため、ウィルスという遺伝的多様性の媒介者を排除するばかりでいいのか? 論争があります。

 

v輿論」とは戦前日本で”public opinion”の翻訳として定着した訳語。戦後は「輿」の漢字がマスコミなどで使用しにくくなり「世」を当て字にしている。

vi被害実態の「自国バイアス」に限らず、特定の国や地域でしか流布していない論調、根拠に薄い健康法、まじない等――色々ありえます。